ゆるいファイル共有サービスを立ち上げてみた
Hello, LazyVault
ゆるいファイル共有サービスLazyVault(レイジーボルト)というのを立ち上げてみた。
すげぇ端的に言うと、gigafile 便の色々とゆるい版である。
ゆるい、というのは良いゆるさと悪いゆるさに大別できる。
LazyVault の良いゆるさ
- ファイル保持期間が緩い(その気になればサービス終了まで保持できる)
- ファイルサイズ制限がゆるい(5GB まで)
- サーバ費用が安い(明言はしないが、かなり安い)
- パスワードのみでダウンロードできるが、ダウンロード毎に URL が変わるので、URL が流出しても問題にならない。
LazyVault の悪いゆるさ
以下は一部、今後改良予定である。
- 今今アップロード機能は CLI でのみ提供されている。
- 今今アップロードされるコンテンツのセキュリティチェックは自前でやるしか無い。
- 今今ユーザが増えたときのことを想定していない。
- ダウンロードできることは誰でも知り得る。
LazyVault の使い方
- gigafile 便でファイル保存期間が気になったときに、こちらに移行する。
今今これぐらいしか使うシーンが無い。
というか、大体の場合 gigafile 便でいい。
なぜ今更ファイル転送なのか
さっきから gigafile, gigafile と言っているが、実際 gigafile でいいのだ。
ではなぜこんなものを今更作ったのかといえば、下記に帰着する。
ファイルサイズ制限と保存期間とパスワードブロックを両立しているサービスが見当たらない
前提として、現代は「推し活」時代である。
その中で、数多のファンクラブサイトが存在している。
fanbox, fantia, myfans, patreon...
こういったサービスでは、ファイルサイズ制限がかかっていることが多い。
特に動画ファイルだとサイズの問題で引っかかって、アップロードできないので、一旦何処か別の場所にアップロードする、という手法をよく見る。
そこでよく gigafile 便経由で配布するという手法がとられる。
しかし、保存期間が最長 100 日である。
これはいつまでも保存をしていると、サーバがパンクするからである。
※ちなみにスケーリングという考え方を使えばパンクしないのだが、gigafile 便は無料で提供されるサービスなので、そこまで出来ないよ、という感じだろう。当たり前である。
そうしたときに、ある日突然ファンクラブに入って、100 日前に投稿されたダウンロードリンクがあったとき、ファン側は何も出来ないのである。
最悪のケースでは、100 日以上前に投稿されたコンテンツが気になって入ったのに、そこに死んだリンクがある。
これはなんだ?となっても仕方ない。
では google drive でリンクを知っているユーザのみに...
リンクが流出したらどうするつもりなのか。
ではアクセス制限を...
ファンのメールアドレスをどのように収集するのか。
そこで LazyVault の出番である。
gigafile 便ってやっぱすげぇわ
ファイルサイズ上限がでかすぎる
上で
- ファイルサイズ制限がゆるい(5GB まで)
と書いた。
gigafile 便は 500GB である。
どないなっとんねん。
つーかこんなにアップロードして、プロバイダーに睨まれないのか?そもそもできるのか?
毎秒 5000 ブロックの整地を支えるマイクラ整地鯖の自宅サーバー紹介 - 散財系鯖主うんちゃま
☝️ を見れば分かりやすいのだが、要は固定回線でも特にアップロードでオイタをすると、しれっと通信制限がかかるのである。
※こんなレベルでは問題にならないのだが、アップロードを無限にやると、プロバイダにダメージを追わせることも出来る。
「NURO 光」トラブルの原因は特定事業者による「異常なトラフィック」 ソニーが調査結果を公表【追記あり】
一応通信工学科らしいこともたまには言ってみた。(この程度で)
gigafile 便はファイル保存サービスではない
GigaFile(ギガファイル)便のトップには下記のように示されている。
GigaFile(ギガファイル)便とは
いますぐ利用できるユーザー登録不要の簡単無料大容量のファイル転送サービスです。容量無制限(1ファイル300Gまで)のファイル転送が行えます。ファイルはアップロード後最大100日間保持されます。
そう、ファイル転送サービスである。
転送とは|「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれる IT 用語辞典
送ることが主眼であり、送れないからといって、いつまでも保存している、ということではない。
この発想の妙である。
下手に保存、とかいう言葉を使わない。
「我々は「転送」屋さん、データはそのうち消えますよ。」という主張、非常に素晴らしい。
セキュリティ対策が「おそらく」されている
こういうサービスを立ち上げるときに注意しなくてはならないのは、悪意のあるファイルの配布に利用される可能性である。
例えばダウンロードした瞬間に悪さをするウイルスソフトをアップロードされて、誰かがダウンロードしたとき、責任の一端はサービス提供者に来る。
※この辺本気でサービス化するなら調べないといけない。今はアップロード者を信頼できる人に限定して、個人的にチェックしてからアップロードするので良いのだが、、、
よって、怪しいファイルのアップロードはブロックしなければならない。
※GigaFile(ギガファイル)便 - 利用規約を読むと、これを「危険ファイル」として定義している。
ここからは想像なのだが、
ギガファイル便フロントエンド -> ギガファイル便バックエンド -> ギガファイル便 DB(ファイル情報やパスワードなどを保存) -> ギガファイル便一時バケット(ファイル本体を格納) -> セキュリティチェック -> ギガファイル便転送用バケット(ファイル本体を格納)
というフローなのではないかと思われる。
もしくは
ギガファイル便フロントエンド -> ファイルを対象にして、セキュリティチェック -> ギガファイル便バックエンド -> ギガファイル便 DB(ファイル情報やパスワードなどを保存) -> ギガファイル便一時バケット(ファイル本体を格納) -> ギガファイル便転送用バケット(ファイル本体を格納)
というフローであったりする。
どちらにせよ、膨大に金と時間がかかりそうである。
その割にアップロードしてすぐにダウンロードできたりして、どうなってんねん、という感じである。
今後どうしたいのか?
こんなものを作って今後どうしたいのか?
今後の進め方を考えてみる。
- アップロードする側として課題を抱えている人を探す。
- 本件を提案してみる。
- とりあえず使っていただく。
- 意見を募る。
- アップロードプラットフォームの要望は絶対にくるので開発する。
- このあたりで自動セキュリティチェックを挟めるようにしたい。※少なくとも予算は立てる。
- ダウンロードプラットフォームに google 広告を入れてみる。
- 収益がどのぐらいになるのか計算してみる。
- 8 だけで厳しそうなら、アップロードプラットフォームの有償化(サブスク)を検討する。
- 本番公開する。
- 9 の有償化でユーザが増えなくなるかもしれないので、ここもターニングポイント。
- どこかで躓いたら謝って辞める。
こういったところだろう。
1 年半ぐらいチームで開発してみたが、あまり向いていなかったので、個人でやってみる。
適当に事業売却できればいいが、おそらくそんな事はできない。
(と、思っていたほうが楽である。)
ただ、アップロードする立場の人に使ってもらって、チヤホヤされたいだけ、と割り切ったほうがいい。
ではまた。